一般社団法人 千葉県安全運転管理協会

 

アルコールチェックの厳格化について

 ※ 印刷する場合はこちらのPDF版をご活用ください。 

 

 令和3年年11月10日「道路交通法施行規則の一部を改正する内閣府令」が公布され、令和4年から業務として運転しようとする者及び運転を終了した者に対し、飲酒の有無を確認することが義務付けられました。改正内容は次のとおりです。

道路交通法施行規則

(安全運転管理者の業務)

第九条の十 法第七十四条の三第二項の内閣府令で定める業務は、次に掲げる通りとする。

一~五 略
六 運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で
  確認するほか、アルコール検知器(呼気に含まれるアルコールを検知する機器であって、国家公安委員会が定めるもの
  をいう。次号において同じ。)を用いて確認を行うこと。
七 前号の規定による確認の内容を記録し、およびその記録を一年間保存し、並びにアルコール検知器を常時有効に保持す
  ること。

注:令和4年4月1日から令和4年9月30日までは、運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者に対し、酒気帯びの有無について、当該運転者の状態を目視等で確認し、その内容を記録しなければなりません。アルコール検知器を用いての確認は、令和4年10月1日から実施しなければなりません。  
   

 

 

確認結果を記録する書類様式

 法律で定められた書類様式やパソコンファイルはありません。

 書類様式を自ら作ることもできますが、下記の「道路交通法施行規則の一部改正に伴うQ&A」のQ10に示された事項の記録が必須となりますのでご注意ください。

 この要件を備えた書類様式を下記からダウンロードできますのでご活用ください。 

 

 1 アルコール検査確認結果記録表(1台の車を複数の運転者が使う場合 Excel入力版)

 2 アルコール検査確認結果記録表(各車の運転者が決まっている場合 Excel入力版)

 3 アルコール検査確認結果記録表(1台の車を複数の運転者が使う場合 手書きPDF版)

 4 アルコール検査確認結果記録表(各車の運転者が決まっている場合 手書きPDF版)

 

注:上記の「アルコール検査確認結果記録表」の各ファイルは一般社団法人千葉県安全運転管理協会が作成したものです。

 著作権は一般社団法人千葉県安全運転管理協会にありますが、公開していただいても結構です。

 公開する場合は、一般社団法人千葉県安全運転管理協会が作成したものであることを明記した上で、自己の責任において公開してください。

 また、必要に応じて加工・変更していただいても結構です。ただし、各記録項目は警察庁から示されたものですので、いずれかの記録項目を省略したり変更することはおやめください。

 

道路交通法施行規則の一部改正に伴うQ&A

 ※ 印刷する場合はこちらのPDF版をご活用ください。  

 

Q1 マイカー通勤をしているが業務として車を運転しない者にも酒気帯びの有無を確認しなければなりませんか。

 アルコール検査の対象となるのは、事業所の業務のために運転する者(私有車両を業務で使用する場合を含む)です。今回の法改正において業務として車を運転しない者は確認・記録の対象になっていません。

 「私有車両を業務で使用する場合」とは、一時的な使用ではなく、車両等の使用者(事業主)が同車両を実質的に管理し、いわゆる社用車として運用するような場合をいいます。

注:今回の改正には含まれていませんが、事業所としてはマイカー通勤中の事故であっても、民法上の「使用者責任」により責任が問われることがありますので、マイカー通勤者に対しても飲酒運転を防止する安全運転管理は必要です。

Q2 「運転しようとする運転者及び運転を終了した運転者」とは、どのような意味ですか。

  業務として運転を開始する前の者、及び業務としての運転を終了した者のことで、それぞれアルコール検査を行わなければなりません。

Q3 1日に事業所と取引先を数回往復する場合、その都度酒気帯びの有無を確認しなければなりませんか。

 運転を含む業務の開始前や出勤時、及び終了後や退勤時に行うことで足りるとされています。 

Q4 従業員のマイカーで業務を行っている場合はアルコール検査・記録の対象になりますか。

  社有車、レンタカー、持ち込みのマイカーに関わらず、業務を行う車両は全てアルコール検査と記録の対象となります。

 「持ち込みのマイカー」とは、一時的な業務使用ではなく、車両等の使用者(事業主)が同車両を実質的に管理し、いわゆる社用車として運用するような場合をいいます。

注:安全運転管理者の選任基準(一つの事業所において車両5台以上)と副安全運転管理者の選任基準(車両20台ごとに1人)の判断も同様ですので、選任基準に合致しているかについてもご注意ください。

Q5 令和4年4月1日から令和4年9月30日までの間は目視等で酒気帯びの有無を確認するとのことですが、具体的な

   確認方法を教えてください。

  「目視等で酒気帯びの有無を確認する」とは、原則として対面で、運転者の顔色、呼気の臭い、応答の声の調子などで確認することです。

 直行直帰の場合など対面での確認が困難な場合にはこれに準ずる適宜の方法で実施すればよく、カメラ、モニター、携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、運転者の声の調子等を確認してください。

 なお、令和4年10月1日からは、同一の自動車の使用者が他の出張所や営業所において安全運転管理者を選任している場合は、その場所の安全運転管理者の立会いの下、アルコール検知を行い、測定結果を電話等で所属する事業所の安全運転管理者に報告させることができます。

Q6 アルコール検知器による確認は令和4年10月1日からとなっていますが、それより早くアルコール検知器による確

   認を実施しても良いですか。

 令和4年4月1日から令和4年9月30日までの間は目視等での確認とされていますが、この期間にアルコール検知器による確認を開始しても差し支えありません。

Q7 確認結果の記録は文書で保存しなければいけませんか。

 記録は1年間保存しなければなりません。保存の方法については定められていませんが、文書で保存するか、パソコンファイル等の電磁記録で保存することとなります。

Q8 確認結果をパソコンのファイルに保存し、書類は作成しないという方法でもよいですか。

 パソコンファイル等の電磁記録を保存するだけで足りますが、文書の保管を併用しても差し支えありません。いずれにしても、後日確認の必要が生じた場合、直ちに確認できる状態であることが必要です。

Q9 アルコール検知器を使用した場合における確認結果を数値ではなく、アルコールの有無だけを記録してもよいですか

 アルコール検知の有無だけでもよいこととなっています。なお、アルコールの検知があった場合は、どのような指示を行ったのか、どのような措置を取ったのかを記録しなければなりません。アルコール検知の程度に応じて、指示や措置の内容が変わる場合もあると思われますので、検知の有無に加え数値も記録したほうが良いでしょう。(数値のみの記録でもよい)

 なお、検査の結果、通勤等で既に車を運転した者が酒気を帯びていることが判明し、飲酒運転をしたことが明らかであるとき、又はその疑いがあるときは、直ちに警察に通報すべきです。

Q10 確認結果を記録する書類様式または専用のパソコンファイルはありますか。

 法律で定められた書類様式やパソコンファイルはありません。

 書類様式を自ら作ることもできますが、次の事項の記録が必須となります。

 (1) 確認者氏名

 (2) 運転者氏名

 (3) 運転者の業務に係る自動車の自動車登録番号又は識別できる記号、番号等(連番5567等でよい)

 (4) 確認の日時

 (5) 確認の方法

  ア アルコール検知器の使用の有無(令和4年10月1日から)

  イ 対面でない場合は具体的方法

 (6) 酒気帯びの有無

 (7) 指示事項

 (8) その他必要な事項

 なお、上記の要件を備えた書類様式を上記の「確認結果を記録する書類様式」で公開していますのでご活用ください。

Q11 アルコール検知に関する管理システムはありますか。

 アルコール検知に関する管理システムは、すでに旅客運送業にかかわる運行管理者向けのものが市販されています。Q10の要件を備えたものであれば、導入しても問題ありません。

Q12 国家公安委員会が定めるアルコール検知器とはどのようなものですか

 呼気中のアルコールを検知し、その有無又はその濃度を警告音、警告灯、数値等のいずれかにより示す機能があればよいとされています。市販のアルコール検知器でも構いませんが、「アルコール検知器を常時有効に保持すること。」とされていますので、信頼性の高いものを選んでください。また、機種によって使用期間や使用回数制限がありますので注意してください。

Q13 「アルコール検知器を常時有効に保持」とは具体的にどのような状態をいうのですか。

 「常時有効に保持」とは、正常に作動し、故障がない状態で保持しておくことです。このため、検知器の取扱説明書に基づき、適切に使用し、管理し、保守するとともに、定期的に故障の有無を確認して、故障がないものを使用しなければなりません。

Q14 アルコール検査はだれが行うのですか。

 基本的には安全運転管理者又は副安全運転管理者が行うこととなります。チェック対象者が多い場合や安全運転管理者等が不在の場合などに安全運転管理者の業務を補助する者が行っても差し支えありません。

Q15 事前に安全運転管理者の業務を補助する者を指定しておく必要がありますか。

 チェック対象者が多い場合や安全運転管理者等の不在などの事態が想定される場合は、あらかじめ安全運転管理者の業務を理解している者をアルコール検査の補助者として、必要な人数を指定しておいてください。

Q16 出発前のチェックを行った事業所ではなく、別の事業所で運転業務を終えた場合はどうしたらよいですか。

 別の事業所の安全運転管理者又は安全運転管理者の業務を補助する者がチェックを行ってもよいとされています。また、運転者の酒気帯び確認の方法は対面が原則ですが、直行直帰の場合など対面での確認が困難な場合には、運転者に携帯型アルコール検知器を携行させるなどした上で、

 ① カメラ、モニター等によって、安全運転管理者が運転者の顔色、応答の声の調子等とともに、アルコール検知器による測定結果を確認する方法

 ②携帯電話、業務無線その他の運転者と直接対話できる方法によって、安全運転管理者が運転者の応答の声の調子等を確認するとともに、アルコール検知器による測定結果を報告させる方法など、対面による確認と同視できるような方法で実施すればよいとされています。

Q17 アルコール検査を実施していなかったり、確認結果の記録を作成しなかった場合は処罰されますか。

 検査を怠ったり、記録していなかったことを直接罰する規定はありませんが、安全運転管理が適切に行われていないことになりますので、道路交通法第74条の3に基づき、安全運転管理者の解任を命じられることがあります。この解任命令にも従わなかった場合には、5万円以下の罰金刑に処せられます。

Q18 運転前の検査でアルコールが検出された場合、どうしたらよいですか。

 道路交通法65条は、「何人も、酒気を帯びて車両等を運転してはならない。」と定めています。これは、酒気帯びの程度に関わらず運転をしてはならないという意味です。酒気帯び運転の処罰基準が呼気1リットル中、0.15ミリグラム以上と定められているのは、あくまでも処罰の基準ですから、アルコールが検出された以上、業務運転をさせてはなりません。

 アルコール検査を行う以上、アルコールが検出される事態を想定しておくべきです。検査の結果、通勤等で既に車を運転した者が酒気を帯びていることが判明し、飲酒運転をしたことが明らかであるとき、又はその疑いがあるときは、直ちに警察に通報すべきです。飲酒運転をしていないが、アルコールが検出された場合は、運転以外のどのような業務を命じるのか、代替え運転者をどうやって確保するのか等をあらかじめ検討し、準備しておくべきです。また、指示した事項と取った措置の状況を記録しなければなりません。

Q19 運転後の検査でアルコールが検出された場合、どうしたらよいですか。

 出発時のアルコール検査の際には問題なかったのですから、業務中に飲酒して飲酒運転を行った可能性が高いと言えます。たとえ従業員であっても、直ちに警察に通報すべきです。このような事態にならないよう、日頃から交通安全意識の高揚やモラルの向上に努め、職員の自己管理能力を高める努力を怠らないでください。

Q20 従業員がアルコールチェックを拒否した場合どうしたらよいですか。

 アルコールチェックは法で定められた義務です。この義務を履行できないことになりますので、この従業員に業務を伴う運転をさせてはなりません。運転を伴わない業務を命じて下さい。なお、このような事態も想定されますので、あらかじめ検査を拒否した従業員にどのような措置を取るかという、社内規定等の整備も実施してください。

Q21 確認結果の記録を役所などに提出することはありますか。

 確認結果の記録は1年間保存すると規定されていますが、定期的な提出の義務を定めた規定はありません。ただし、道路交通法第75条の2の2で、「公安委員会は、自動車の安全な運転を確保するために必要な交通安全教育その他自動車の安全な運転に必要な業務の推進を図るため必要があると認めるときは、自動車の使用者又は安全運転管理者に対し、必要な報告又は資料の提出を求めることができる。」と規定されています。例えば、業務運転中の従業員が重大事故等を起こした場合などに、警察から確認結果の記録の提出を求められることがあります。

 確認結果を適切に記録・保存していなかった場合は、道路交通法第74条の3に基づき、安全運転管理者の解任を命じられることがあります。