安全運転管理者制度
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1.自動車使用者の安全運転管理者等選任義務
安全運転管理者の選任
安全運転を確保する全般的な責任は、事業主にありますが、現実の事業主は多種多様な仕事をしており、その責任のすべてを直接果たすのはむずかしいのが実情です。そこで事業主は、その代務者として使用の本拠ごとに「安全運転管理者」やそれを補助する「副安全運転管理者」を選任し、公安委員会に届け出なければならないことになっています(道路交通法第74条の3)。選任基準は、道路交通法施行規則第9条の8に定められています。
- 安全運転管理者の選任・・・乗車定員が11人以上の自動車にあっては1台、その他の自動車にあっては5台以上。
- 副安全運転管理者の選任・・自動車台数が20台以上(選任人数は20台毎に1人以上)
※なお、自動二輪車(原動機付自転車を除く)は1台を0.5台として計算する。
<道路交通法施行規則(以下「規則」という)第9条の8>
資格要件
安全運転管理者
- 20歳(副安全運転管理者が置かれることとなる場合にあっては30歳)以上の者であること
- 自動車の運転の管理に関し2年(自動車の運転管理に関し公安委員会が行う教習を修了した者にあっては、1年)以上実務経験を有する者又は自動車の運転の管理に関しこれらの者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者で、次のいずれにも該当しない者であること
- 過去2年以内に公安委員会の安全運転管理者等の解任命令(道路交通法第74条の3)を受けた者
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過去2年以内に次の違反行為をした者
・酒酔い・酒気帯び運転
・飲酒運転に関し車両などを提供する行為、酒類を提供する行為及び依頼・要求して同乗する行為
・麻薬等運転
・無免許運転、無免許運転に関し自動車等を提供する行為及び要求・依頼して同乗する行為
・次の交通違反の下命・容認
酒酔い・酒気帯び運転、麻薬等運転、過労運転、無免許・無資格運転、最高速度違反運転、積載制限違反運転、放置駐車違反
・自動車使用制限命令違反
・妨害運転
副安全運転管理者
- 20歳以上の者であること
- 自動車の運転の管理に関し1年以上の実務の経験を有する者又は自動車の運転の経験期間が3年以上の者又は自動車の運転の管理に関しこれらの者と同等以上の能力を有すると公安委員会が認定した者で、安全運転管理者の資格要件(上記)の1、2に該当しない者であること
権限を与える
企業組織の中で、指導監督などの管理を通して一定の成果をあげていくためには、それをすすめる立場の人間へのそれ相応の権限の付与が必要です。安全運転管理者が安全な運転の確保に必要な業務を行う場合も同じことで、とくに法令で定められた業務を処理していくとなれば、それに必要な権限の付与と、組織上の位置づけがなければなりません。(道交法第74条の3第7項)
法定講習を受講させる義務
安全運転管理者等の自己啓発を促し、効果的な安全運転管理ができる能力を身につけるために、使用者(事業主)は、公安委員会が行う「安全運転管理者等に対する講習」を受講させなければならないと定められています。(道交法第74条の3第8項)
安全な運転に必要な業務を行う義務
安全運転管理者は、運転者に対して自動車の安全な運転に必要な業務で内閣府令で定めるものを行わなければならない。(道交法第74条の3第2項・運転代行業法第19条)
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「交通安全教育指針」に基づいた安全運転教育の実施(道交法第74条3第3項)
安全運転管理者等の届出
安全運転管理者等を選任したときは、選任してから15日以内に自動車の使用の本拠の位置を管轄する公安委員会に届け出なければならないことになっています。これは解任したときも同様です(道交法第74条の3第5項)。届出書に添付する書類の主なものは次の通りです。
詳しくは、最寄りの警察署にお問い合わせ下さい。
2.自動車運転代行業者の安全運転管理者等選任義務
安全運転管理者の選任
自動車運転代行業者は、自動車運転代行業の営業所ごとに安全運転管理者を選任しなければなりません。また安全運転管理者の業務を補助させるため、規定の台数以上の随伴用自動車を使用する営業所ごとに副安全運転管理者を選任しなければなりません。(運転代行業法第19条・道交法第74条の3第1項適用)
副安全運転管理者を必要とする
随伴用自動車の台数と副安全運転管理者の人数
自動車の台数 | 副安全運転管理者数 |
19台まで | 0人 |
20台~39台 | 1人 |
40台~59台 | 2人 |
20台毎に1名追加 |
安全運転管理者、副安全運転管理者の資格要件
運転代行業の業務の適正化に関する法律第19条第1項により道交法施行規則第9条の9第1項、第2項適用
安全運転管理者等への権限付与
自動車運転代行業者は安全運転管理者に対し、内閣府令で定める自動車の安全運転管理の業務に必要な権限を与えることになっています。(運転代行業法第19条・道交法第74条の3第7項適用)
法定講習を受講させる義務
安全運転管理者等の自己啓発を促し、効果的な安全運転管理ができる能力を身につけるために運転代行業者は、公安委員会が行う「法定講習」を受講させなければなりません。 (運転代行業法第19条・道交法第74条の3第8項適用)
自動車運転代行業の認定
自動車運転代行業を営もうとする者は、自動車運転代行業の欠格事由に該当しないことについて、都道府県公安委員会の認定を受けなければなりません。(運転代行業法第4条)
認定手続き
公安委員会に次の①~⑥に掲げる事項を記載した申請書を提出します。この場合において、その申請書には、運転代行業法施行令で定める書類を添付しなくてはなりません。(運転代行業法第5条第1項)
- 氏名又は名称及び住所並びに法人の場合は代表者の氏名
- 主たる営業所その他の営業所の名称及び所在地
- 代行運転自動車の運行により生じた利用者その他の者の生命、身体又は財産の損害を賠償するための措置
- 安全運転管理者等の氏名及び住所
- 法人の場合、その役員の氏名及び住所
- 随伴用自動車の自動車登録番号標等(ナンバープレート)のナンバー
代行運転自動車標識(マーク)の表示義務
自動車運転代行業者は、代行運転のサービスを利用者に提供するときは、代行運転自動車の前面と後面の所定の位置に代行運転自動車標識を表示しなければなりません。(運転代行業法第16条)
随伴用自動車の表示等の義務
代行業務従事中は、随伴用自動車に業者の名称、認定番号等の表示をしなければなりません。(運転代行業法第17条第1項)
代行運転者の2種免許取得
代行運転自動車を運転しようとする者は、第2種免許を受けなければなりません。 (道交法第86条第5項、第6項)
運転代行業の法令・制度に関しては千葉県警のホームページでも確認できます。
詳しくは、最寄りの警察署にお問い合わせ下さい。